透明感

水面
錦玉の美しい透明感を生かした涼味あふれる季節菓子。

紅色のこし餡を入れて渦型に流し固めたもの。

錦玉には寒天と砂糖で透明に仕上げるもののほか、こし鍋どうみょうじほしいや道明寺糀を混ぜるものもある。

水面は飽と錦玉が口中で混ざり合う。

(末富)
岩もる水
錆のある草色に染めて煮た葛を岩に、白い部分を水に見たてたもの。

上質の本葛を使って透明感を際立たせた、涼しさのあふれる菓子。

冷やして進めたいものではあるが、葛菓子の場合は冷やしすぎると白く返るので注意が肝要。

(鶴屋吉信)

和菓子がこういった透明感を出せるのが日本の凄いところだと思う。

洋菓子というとやっぱりこってり甘い、という感じだけれども、なんだか年齢とともにこれがちょっと受け付けられなくなってきてしまっているのが…。

ちなみに、普段飲んでいるのが、深蒸し茶というもの。

これがなかなか味が深くて、なかなかおいしい。

牡丹とお茶

夏の霜
大納言のこし餡を和三盆ではさみ、氷餅を振っている。

月が浜辺の砂を照らすと夏の夜ながら霜のようだ、という漢詩から銘をとった。

六月から九月までしか作らない。

(亀末広)

水牡丹
牡丹は花の王といわれ、深見草、富貴草などとも呼ばれる。

花のあでやかさをそのまま表したような、みずみずしいもの。

上質の葛に薄紅をさし、茶巾絞りにして牡丹の蕾を思わせる。

紅色のこし飴を包んで絞ったものもある。

(鶴屋八幡)


牡丹といったら、よくよく鎌倉まで牡丹を見に行く事はあるような。

花以上に人が多かったとしか印象がなくて、ちょっと残念。

それにしても、最近は茶道を始めてみたから、お茶にもこだわりだして、深蒸し茶にも手を出してみた。

これがなかなかの美味だったりする。

茶の神様?

青楓・清流
楓の青葉には清爽、閑寂の趣がある。

暑い日ざしを避けて漢谷や四阿などに憩うとき、青楓のさわやかな揺らぎが暑さを忘れさせてくれる。

新緑から夏の初めの干菓子で、緑鮮やかな打ち物。

取り合わせの有平の清流に、楓のひとひらを散らしたい思いがしてくる。

(鶴屋八幡)

利休ふやき
千利休の茶会記には、ふのやきというのがしばしばある。

当時のふのやきと同じものではないかもしれないが、佗び茶にふさわしい雅趣のあるもの。

(菊家)

千利休といったら、それは茶道の世界では神様みたいな人。

神様といったら、ちょっと大げさなのかもしれないけれど。

とはいえ、普段は深蒸し茶を飲んでみたりしているけれど、これが実はおいしい。

和菓子にもよく合うし、健康にもいいって、テレビでやっていたし。

食い倒れ

糸巻・水
七夕の織女星に裁縫の上達を願う娘たちは、笹にその願いを書いた短冊を結んだ。

その風習にちなんだ打ち物。

水は白の有平で、ほかにも色、形に種類が多い。
(亀屋伊織)


不思議と深蒸し茶とも合ってしまうお店を紹介。

鶴屋八幡(大阪)
鶴屋八幡の菓子といえば、茶人の間で広く信頼されているのはなぜだろうか。

江戸時代の見本帳をそのまま見るような美しい色や形、甘さが後に残らない味……。

創業以来「伝えられたとおり作る」方針を頑として守り、しかもいい菓子とは「見て美しく食べておいしい」ものという信条一筋に歩んできたこの店だからこそ、名声を勝ち得、あまねく知られるようになったのは当然のことである。

さすがは食の都の大阪という感じのお店。
大阪商人のふるさと船場、それも株の町今橋にある大きなビル。

しかし店のなかは和菓子特有の情一緒があふれる。

精進、精進…

夏衣
寒天のなかに道明寺粉を混ぜ込んで不透明にした皮で、小豆のこし餡を巻いたもの。

紗などの薄絹のように、うっすらと透けて見える涼やかなもの。

(鶴屋吉信)

深山の雪
小豆餡を深山に、白餡を渓谷の雪渓に見たてた金団。

夏なお雪の残る高山の風景を写したもので、暑さのなかにしばし別天地へ思いをはせる。

(虎屋)

沢瀉・水
池や沢、水田などに自生する沢潟の葉をかたどった打ち物。

箭形の葉面に高く模様が出ている様がよく出ている。

取り合わせは有平の繊細な仕上げの水。

(亀広保)

深山の雪というとなんとなく、冬のお菓子なのかと思ってしまうけれど、実はこれは夏のお菓子。

高い山に残った雪のことなのかと思うと、深蒸し茶同様なかなか和菓子の世界も深いのもだと思ってしまうけど。

お茶を習い始めてまだまだ日が浅いけれども、これからももっと勉強していかないといけないな、と実感。

東京のお菓子

玉川
玉川は六玉川といわれるように日本全国に六か所あるが、東京の玉川は万葉の昔より歌に詠まれている。

流れの底の小石は、餡に色の変化をつけたもの。

(さゝま)

やっぱり関東人になじみがあるのが、東京と神奈川の間にあるあの「たまがわ」なんじゃないかと思えてしまう。

そうでもないのかな。

水牡丹
薄紅色がほのかにのぞく薯蕷餡を絞り、錦玉で巻いたもの。

清澄な錦玉がきらりと輝いて涼しさを際立たせている。

花の王ともいわれる牡丹にふさわしく。

いくぶん大ぶりの作りで、青葉を添える。

青葉は東京の菓子に添えられることが多いようだ。


なかなか東京に行く事はできないけれど、また行ったら、深蒸し茶に合うようなものを探してこよう。

いっぱいあるからこれが中々簡単ではないのだけど。

素敵過ぎるお菓子

ちょっと前の話になってしまうけれども、夏の七夕の茶会で出てきた和菓子なんかをあげてみる。

さすがに普段からよく飲んでいる深蒸し茶にはちょっと高級だし、それはそれでなかなか普段からお目にかかれないわけで。


星の影
こし銘入りの薄紅と黄色の団子を青竹の串に間をあけて通し、牽牛と織女を表したもの。

古い書物にはこれを、天の川と銘したものもあり、七夕の茶会に風雅な菓子。

(川端道喜)

玉だれ
緑色の餡に山葵の風味をきかせ、求肥で巻き込んだもの。

銘は謡曲『鸚鵡小町』のなかの「雲の上はありし昔に変わらねど見し玉簾の内ぞゆかしき」から。

(栄太楼総本舗)

こういうときに、茶道をやっていてよかったなぁ、と少し思ってしまう。

七夕

いよいよ季節は七夕になってきた。

とはいえ、なかなか深蒸し茶に合うお菓子を探すのには本当に苦労する。

そんな中でもこれはいいかもしれない、と思うのをちょっと挙げてみる。

七タ
糸巻を練り切りでかたどったもの。

七夕には織女星が天の川の対岸にある牽牛星と逢うという伝説がある。

また、この日女性は笹竹に詩や歌を書いた短冊形の色紙をつるして裁縫の上達を祈った。

それにちなんだもの。

糸巻に巻かれた縫い糸のぴんと張られた様がよく出ている。

(さ〉ま)

葛焼
上質の吉野葛に和三盆または黒砂糖を使って鉄板で焼き目をつけてある。

さらっとした葛の味がよく、夏向きの茶味あるもの。

店によっては六方に焼く。

(松屋常盤)

ちょっと高くてなかなか手が出せないけれどね。

いよいよ夏へ

青梅
浅春に花を咲かせた梅は六月には青い実をつける。

小粒に仕上げた形、あっさりとした甘味は、梅雨のうっとうしさもしばらくは忘れさせてくれる。

餡玉を梅干しをすり混ぜた緑餡で梅形に包み、砂糖をまぶす。

淡い色合いは京菓子とは違った趣で、鎌倉の名菓となっている。

(美鈴)

ちょっと先だけど、七月八月の菓子を何にするか、深蒸し茶を飲んで考えた。

朝茶の席で一刻の涼を楽しむ文月。

青楓、清流、七夕に星の影…どんな菓子を選ぶにしろ、涼しげな印象が基準。

器も硝子や銀、青竹などにして。

暦を繰って秋を待つ残暑の葉月。

琥珀に水羊羹、竹流し、きりっと冷やした冷たさがいちばん。

蝉時雨も入道雲も束の間忘れ去る至上のとき。

風薫る…

瀧煎餅・青楓
長方形の煎餅種に白砂糖蜜を流しかけ、瀧しぶきのように仕上げたもの。

山の奥深く、静まり返ったなかに瀧音だけが響き渡るような清冷の気を感じさせる。

青楓は青葉の色も鮮やかな打ち物で、瀧煎餅との取り合わせがすがすがしい。

(亀屋伊織)

撫子・水
薄紅色の打ち物で、撫子の花型が可憐。

石竹というのは唐撫子を指し、とこなつとも呼ばれる河原撫子のほうがしおらしい。

取り合わせの水は有平で夏に欠かせない。

(亀広保)

白鷺・葦
白鷺は飛ぶ姿、立つ姿ともに優雅で、葦の問などに見かける姿は水墨画のような趣がある。

有平で白鷺の立ち姿を作ったもの。

取り合わせは緑濃い葦。

片栗仕上げのもの。

(亀広保)

こういうのを深蒸し茶と一緒に食べられたらなぁ。

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